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(Sep. 2009) 髙橋 麻衣子・川口 英夫・牧 敦・嶺 竜治・平林 ルミ・中邑 賢龍より 教育現場へのICTの導入に関しては、いま強い追い風も吹いている。特にコロナ禍により対面授業が困難になった状況を受けて、教育用の動画学習コンテンツが急速に充実しているのだ。子どもたちの興味や関心に合わせた動画コンテンツを、手軽に見せられるようになったのは大きな福音である。しかもその内容は、セミの孵化シーンや脳の構造など、リアルな教室では見られないコンテンツが豊富に揃っている。本を読めなくとも、動画を見て学べる。まさに「読めなきゃ見ればいい」世界である。 もちろん、こうしたコンテンツを使う際には、教員による適切な指導が欠かせない。動画を見る行為は受動的であるため、単に見ておもしろかったで終わらせないための工夫が必要となる。 「動画を見るのは、もしかすると読む行為と似ている可能性があります。黙読を指導する際には、あらかじめ問いを与えたり、理解状態を確認します。同じように動画を見る前後に先生がワンクッション入れて心的努力を促すのです。具体的には最初に何のために見るのかを説明したり、質問を投げかけておいて、子どもたちの注意や好奇心を喚起したりする。そして見終わった後で、内容に関する確認や質問を行うなど、子どもたちを能動的な視聴に導くようにします。心理学的には、こうした学習時の心的努力の必要性が明らかにされています。すなわち子どもたちが、意識集中して見て内容を分かろうとする。苦労するほど記憶が定着し、理解が促進されるのです」 このように、その使い方は教師に工夫を求められるが、動画コンテンツもデジタルペン同様、新たな学び方につながる可能性がある。教科書を読むスタイルの学習法ではどうにもついてこれなかった子どもたちの興味や関心を、動画コンテンツなら引きつける可能性が出てくる。とはいえ全員が一様に動画で学べ、という話ではない。 「重要なのは選択肢が増えたことです。アナログな紙の教科書も使えるし、デジタル動画も使えるのが、今の時代の良さでしょう。アナログでもデジタルでも、使いたい方を子どもたちが選んで使えばいい。その選択を子どもたちに任せれば、自律的な学習者の育成にもつながります。もっとも、このような自律的な学び方が可能になるのは、高学年からだと思います。もう一つ、ICTを使うメリットがあります。教室での対面授業では、どうしても即時対応の瞬発力が求められますが、ICTなら自分のペースで学んでいけます。すると、教室の授業ではよく分からないまま先に進むために置き去りにされていた子どもたちでも、ICTなら一つひとつをきっちり理解してから先へ進める可能性が出てきます」 声を出さずには本を読めない子どもたちとの出会いが、研究の原点となった。本を読むとはどういうことか、音読と黙読の違いは何かと読む学びの追究が他の学び方へ、さらには人間支援工学へと広がっていった。 不登校児への対応策としての、新たな学びの形 読む・聞く、あるいは話す・書くなど、子どもたちによって学びの適性は異なる。ところが、現実の学校教育ではさまざまな制約があるために、一人ひとりに最適化された教育を徹底するのは難しい。そのために学校になじめない子どもたちが出てくる。 日本財団が2018年に行った『不登校傾向にある子どもの実態調査』によれば、不登校傾向にある中学生は全体の10.2%、推計すると約33万人にものぼる。実際に不登校となっている子どもと合わせれば、全体の13.3%、推計値で約43万人となる。 「こうした子どもたちが何に困っているのか。友だち関係の悩みもあるのですが、学習についていけていないケースも多々あります。もともと読み書きの不得意な子どもたちが、相当数いるのも別の調査で明らかになっています。学校に行けない子どもたちにとっても、ICTが新しい可能性を開いてくれます。つまりオンラインでの学習を登校と同じように扱ってもらえるなら、学校に行かなくとも、自分のペースで学べる可能性が出てきます」 『不登校傾向にある子どもの実態調査』(日本財団 2018/12/12)。「不登校」または「不登校傾向」にある子どもを合わせると13.3%、約43万人にもなることが明らかとなった。 不登校の子どもたちのための学習法として、髙橋講師らが取り組んでいるのが、Activity Based Learning(ABL)だ。例えば、都内のある大通りの長さを限られた道具で測らせたり、予算を500円と決めておいて「まめ」の入っている食料品をデパートで買ってきたりといった課題を与える。 「すると子どもたちなりに考えるようになります。醤油やお味噌の中に豆が入っていることを発見すると、では味噌はどのようにつくられるのだろうかと次の関心が湧いてくる。あるいは、もし大豆の流通が止まったら、日本の食事はどうなるのかといったところまで発想を広げる子どももいます。他の子が買ってきた「まめ」製品を見て,発想の枠を広げる子もいる。「もっといいもの買えばよかった」と失敗を感じる子もいます。でも,この失敗が大切で,それが次のチャレンジ,学びにつながります」 今は教育現場はもとより、家庭でも子どもたちに失敗させないように手を尽くすケースが多い。もとより成功体験を積ませるメリットを否定するわけではない。けれども、人生においては予定調和的に成功するケースなど実際にはほとんどない。大切なのは失敗した後に、リカバリーできる力を養っておくことだ。失敗した子どもが「次は失敗しないようにやるぞ」と思ってくれたら、それでABLは充分に教育効果がある。 「さらに中邑先生のABLではスタッフの大人も参加しますが、その際に先生は絶対に子どもたちに負けるなとスタッフに指示します。あるいは、子どもたちのためになる落とし穴を掘れと言われるケースもあります。例えば『まめ』の課題のときなど、中邑先生はメンマを買ってきて、子どもたちに得意げに見せていました。子どもからすると不思議でしかたがない。メンマの一体どこに豆が入っているのか。そこで中邑先生は『マ』と『メ』が入ってるじゃないかと種明かしをする。頓智のようですが、これが子どもたちの視点の転換につながります。せっかく学校の外での学びなのだから、世の中にはおもしろい大人がたくさんいるんだと伝えたいのです。そうすることで、学校でうまく行かなくても、ほかでうまく行けばいいと子どもたちに気づかせてあげる。だから参加している大人が、楽しそうにしている姿を見せるのも大切にしています」 もちろん、このようなABLが、どの子どもにもフィットするかといえば、決してそうではない。学校という集団教育の場に向かない子どもたちには、ある程度なじむ教育手法ではある。だからといって今の学校教育に適合している子どもたちにまで、あえてABLを強いる必要などまったくない。 「ただ一点アピールしておきたいのは、学校教育という枠が一つ決められると、必ずその枠から取りこぼされる子どもがいる事実です。ABLはそんな子どもたちの、ひとつの受け皿になりえます」 さらに今は学校に適合している子どもたちにも、それが全てではないと知ってもらいたいと、髙橋講師は強調する。 子どもたちは一人ひとり違う、それが大前提 髙橋講師は、なぜさまざまな教育手法の研究に取り組むのか。 「教員志望の学生にありがちなのが、自分が受けてきた教育が非常に良かったから、それを子どもたちにも伝えたいと考える傾向です。子どもたちを良くしてあげたいとのモチベーションは大切にしてほしい。けれども、自分が受けてきた教育が、唯一の最適解だと考えるのはとても危険です。繰り返しになりますが、子どもたちは一人ひとり違うのです。だから教育はもちろん、子どもたちへの接し方やコミュニケーションの取り方も、本来は一人ひとり違って然るべきです」 現状の学校教育は、どうしても読み書きに偏りがちだ。けれどもICTの進歩などにより、読み書きは苦手だけれど、聞く・話すならできる子どもたちのための学びの選択肢が充実し始めている。自分に最適な学習方法を理解するのは、本来なら学習の前段階として必要な作業だ。ところが、現状は教育者の多くが、読み書きルールに固執してしまう傾向を持っている。そのため、子どもたちには選択の余地が与えられていない。 「この壁を、人間支援工学を駆使して何とか打ち破りたいのです」と髙橋講師は語る。 学びの本質に到達するための手段はいくつもある。その手段が人によって異なるのは当たり前、だから一人ひとりに最適な学びの手段を追究し提供する。 「読み書きの専門家でありながら、いつのまにか読み書きを使わない教育を追い求めるようになりました。デジタルツールはこれからもどんどん進化していくでしょう。そうしたツールも活用しながら、子どもたちを支援する。そのプロセスを通して『本当の賢さとは何か』を突き詰めていきたいと考えています」   髙橋 麻衣子(たかはし まいこ) 2007年東京大学大学院教育学研究科博士課程 単位取得退学、同年10月より東京大学先端科学技術研究センター リサーチフェロー、2008年4月より同特任研究員。2012年4月、日本学術振興会特別研究員(PD)、2013年4月、東京大学大学院教育学研究科博士号(教育学)取得、2016年1月、日本学術振興会特別研究員(RPD)、2018年8月より現職。 関連タグ 髙橋 麻衣子 お問い合わせ 見学をご希望の方へ 寄附のお願い 採用情報 先端研について 所長あいさつ 設立の理念 沿革 組織と運営 SDGsへの取り組み 財務状況 構成人員 社会との連携 先端研パンフレット 広報誌「RCAST NEWS」 研究について 研究者一覧 研究分野 プロジェクト 研究者紹介 フロントランナー リレーエッセイ 先端とは何か 名誉教授 研究アーカイブス 連携活動について 産学官連携 自治体との連携 社会連携研究部門 教育機関との連携 国際連携 教育について 先端研で学びたい方へ 大学院先端学際工学専攻 ニュース 広報活動 取材をご希望の方へ アクセス サイトマップ 学内向け情報 ウェブアクセシビリティ方針 本サイトについて 個人情報の取り扱いについて ©Research Center for Advanced Science and Technology, the University of Tokyo

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